佐藤さとるさんのコロボックルシリーズや鍵ばあさんシリーズ、シルキーファンタジアシリーズ、きたのじゅんこさんの妖精の絵本などが好きだった。魔法がかかったり、不思議な世界を冒険したりするファンタジーに、とっても心惹かれていたように思う。
今も、のぶみさんの妖精図鑑や、なばたとしたかさんの「こびとづかん」が人気な様に、子どもの頃は特に、そういう不思議な世界にワクワクする感性があると思う。
または、子どもなりに、現実の厳しさに触れるとき、ファンタジーの世界を味わうことで癒され、楽しんでリフレッシュしていたのかもしれない。見えない、ありえない世界の話は、大人にとって、バカバカしく、幼稚で、役に立たないものの様に価値づけられることが多い。しかし、ファンタジーの世界に浸る経験は、現実世界での想像力を豊かにしてくれるし、小人や妖精は、何か純粋無垢で、自然と近しくて、優しく愛おしい存在に思えた。
また、現実世界から異世界へ冒険に出るストーリーには、何だか希望やワクワク、開放感が感じられた。主人公と一緒にウキウキできた。何にも縛られない、何してもオッケーな、そして、想像つかないような不思議で面白い展開が次々味わえる世界。それが、たまらなかった。
今思い返すと、それは、固定観念にも、社会のルールにも従わされないで、ただ自分の内から込み上がるワクワクに従える体験。本当の、純真無垢な自分に戻って、その心のままに在る体験に近かったのではないかな?と思う。何かのために我慢することもなく、心にフタをして、やるべきことを優先する、仮面をかぶった自分でもない。
これから先、「やっぱり、心が生き生きして、生きられること程、幸せなことはないな」と気づく時が来たとしたら、このファンタジーの世界観が見直されるかもしれない。
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